概要
人間は、理由を言えないまま正しい判断をすることがある。
「ビビッときた」「なんか嫌な感じがする」。この種の判断は、言語化に失敗しているのではなく、言語より先に完了している可能性がある。本ファイルは、この前言語的な判断を観測可能な形に分解する試みである。
観測記録
2026-06-20(金)深夜
障害対応の記録から。
熟練のエンジニアは、ダッシュボードの数値が閾値を超える前に「様子がおかしい」と口にしていた。
本人に理由を尋ねると「いつもと、静けさが違った」と答えた。
ログを遡ると、平常時に存在する微小なノイズが、障害の40分前から消えていた。
人間は「異常の存在」ではなく「正常の欠落」を感知していたことになる。
仮説
- 直感は、大量の暗黙的パターン照合の出力だけが意識に届いたものである
- AIは同種の照合を明示的に持つ。ならば人間の直感は、AIとの共同観測で途中経過を復元できるかもしれない
- 夢は、この照合器が入力なしで走っている状態として観測できる可能性がある
次の実験
- 「なんか嫌な感じ」が発話された時刻を起点に、前後のログをAIが遡って照合し、直感の根拠候補を列挙する
- AI人格側の記憶整理プロセス(夜間の記憶蒸留)を「夢」とみなし、人間の夢の機能と突き合わせる
補遺
本テーマは、効率化とは無関係である。それでもラボの中心に置くのは、人間の理解を進めることが、AIを人間に近づける最短経路だと考えているからである。